ダンカン過大評価?

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ダンカン過大評価?

無条件の優位性という神話

まず断っておく:ダンカンは確かに優れた選手だった。5度の優勝、2度のファイナルMVP、19回のオールスター出場。しかし『優秀』は必ずしも『偉大』ではない。特にエリートチームメイトに囲まれていた場合だ。 私は回帰モデルやWS/48を使ってプレーヤー影響力を分析してきたが、彼の個人貢献がどれほど独占的だったのか疑問が残る。 スポーツマン・スパークス時代に「彼がチームを支えた」という物語があるが、果たして彼はただ『船首』に立っただけではなかったか?

勝率差異:静かな真実

数字には嘘がない:ダンカン在籍時、スパーズの勝率は11.7%高い。確かに驚くべき数値だが、レブロン・ジェームズは34.8%、コビー・ブライアントも2.9%改善した。 つまりレブロンの存在感の方がチーム成功へのインパクトが明確だ。 ではなぜ? もしダンカン不在でもスパーズは強く戦えたなら、「タイトル魔術」の大半が彼自身から来ているとは言えないだろうか?

チームメイト効果:スター集団による王朝

考えてみよう:1997年にダンカンが加入したとき、すでにデイビッド・ロビンソン(MVP級センター)がいた。そしてマヌ・ジノビリ(将来Hall of Famer)、カウイ・レナード(バックトゥバックF MVP)も後に加わった。 彼らは全員、ダンカン加入前にキャリアを確立していた。 『彼が運んでいた』と言えるのか? それとも彼らが『彼を運んだ』のではないだろうか?

初優勝は本当に強かったか?

初タイトル(2003年)は労働紛争による短縮シーズンで行われた。通常より少ない9チームのみ参加し、ローテーションも不完全だった。 また決勝戦ではベン・ウォレス率いるピストンズ相手に平均16得点(シュート成功率50%未満)。歴史的なドミナントさとは言えない。 にもかかわらずこれが「クラッチ力」の証だとされるのは疑問だ。

オリンピック論法:皮肉か不一致?

一部ファンはレブロンがオリンピック金メダルを持っていないことを問題視するが、実は当時アメリカ代表で補欠や役割選手だったのだ。 一方でダンカンはどうだろう? 3回出場で合計わずか11分しかプレーしていない。特に2004年(銅メダル)では重要な場面でベンチ起用された。 もし国際大会でのリーダーシップを基準にするなら… 彼自身にも疑問符をつけないといけないはずだ。 同じ論理を適用すれば、その世界的な誇りも揺らぐだろう。

結論:偉大なプレーヤー ≠ 最大影響力を持つプレーヤー

真実は怒りではなく分析にある:ダンカンは単に『弱すぎた』わけではなく、「支持組織」によって強化された結果として評価されすぎている可能性があるのだ。 マイケル・ジョーダンやコビーのようにエリート得点力を発揮しなかったものの、耐久性とフィールドスペーサーとして常にトップクラスだったことは事実だ。 しかしデータを見ればわかるように… 時には偉大さとは一人称的輝きではなく、「他人によって作られた機械の中で完璧な位置にいたこと」なのかもしれない。

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